久保建英がスペイン語を話す理由

久保建英のスペイン語って聞いてことある?すごいよね〜
スペイン語圏の記者に囲まれて、全く動じることもなくスペイン語で答える。しかも18歳(2019年現在)という若さでこの落ち着きはやっぱり怪物です。サッカーの技術が超一流であることは知られていたけど、スペイン語もこんなにすごかったんですね。
これまでの日本人とは違う、新しい世代の力を感じます。

とりあえず聞いてみて!
久保建英君のスペイン語
とてもナチュラル!
ネイティブと同じレベルの速さで、ピッチ上の見事なスルーパスのように華麗なスペイン語を操ってますね。
すごい!

ペラペラやね。。。
これは、久保君が南米で囲み取材を受けた際、記者に
「日本のメッシと言われているようだが、それについて何か一言」
と聞かれた質問に対しての回答。
“No me gusta que me comparen con un jugador tan grande como Messi, pero seguiré trabajando.”
サッカーの技術だけじゃなく、スペイン語力も高いことを証明して見せた瞬間でした。

解説して〜
話していた内容はこんな感じです。
No me gusta – 好きではない
que me comparen – 比較されることを
con un jugador tan grande como Messi – メッシのような偉大なサッカー選手と
pero seguire’ trabajando. – でも練習して、磨きをかけ続けるのみです。
(意訳)
自分はまだまだですし、メッシ選手のような偉大なサッカー選手と比較されることは好ましいことではないと思っています。もっと練習してうまくなる。それだけです。

大勢の大人の前でようこんなカッコよく言えるよね。。。すごすぎ。
比較のために、英語だとこんな感じです。
I don’t like to be compared with such a great player like Messi, but I’ll just keep working on.

何でここまでできるようになったんやろ?
久保建英のスペイン語力レベル
さっきのビデオで久保君が話したスペイン語は完璧でした。
ちょっと現地に住んで、コミュニケーションが取れるようになった、という低いレベルのものではありません。
そう言える理由に、「接続法」と言う文法上さらに突っ込んだ用法をさらりと使い来ないしていることが挙げられます。
「接続法」とは、ゲームで言う「裏面」みたいなものです。
この部分です。↓
… que me “comparen” (uds.)…
スペイン語は、”動詞の活用” (英語だと、go が wentになったり goneになったり) のバリエーションがものすごく多んです。その中でも接続法の活用まで頭に入れて会話の中で使うのは、非ネイティブとしてはかなり高度なことなのです。
“comparar” は “比べる” の意味。
接続法は、スペイン語を外国語として学んだ人だと、一通りすでに知っている場合しか使いこなせません。
会話の中で使いこなすとなると、それだけで中級〜上級のレベルにあると言ってもいいくらいです。

もう一つビデオみてみましょう〜
日本代表が2019年6月に行われた “コパ・アメリカ” にゲスト参戦して、久保君が初めてA代表のメンバーとして戦った際のチリ戦後のインタビューです。
試合は4−0で負けてしまいました。
その試合内容に関して感じたことを聞かれています。

何て言うたん? (動画開始〜25秒)
“Bueno, fue una experiencia muy buena, pero perdimos 4-0, así que también fue una derrota muy dura para el equipo.”
“Pero tenemos que subir la cabeza y mirar hacia adelante, porque aun nos queda dos partidos por lo menos.”
このインタビューは少し長いので前半のみにしておきましょう。
Bueno, fue una experiencia muy buena, – ん〜、すごくいい経験にはなりました
pero perdimos 4-0 – でも4-0で負けてしまっていますので
así que también fue una derrota muy dura para el equipo. – チームにとっては非常に辛い敗戦でもありました。
Pero tenemos que subir la cabeza y mirar hacia adelante, – でも顔(頭)を上げて、前を向いていくしかないですね。
porque aun nos queda dos partidos por lo menos. – 少なくともまだあと2戦残ってる訳ですし。
(動画開始〜25秒)
そうですね、いい経験にはなりましたが、4-0で負けてしまっていますのでチームにとっては辛い敗戦でした。でも顔を上げて、前に進むしかないですね。まだ少なくとも2戦あるわけですし。

すげ〜〜〜
スペイン語もすごいんですが、どうやったらこんなに堂々としていられるんでしょうか。

記者も、こいつすげ〜 って思ってるよね。
今回のスペイン語も全くもって素晴らしい!
やっぱり日本語とスペイン語に似ているところがあるからこんなに上手くなったんでしょうか。
久保建英のスペイン語力が、相当なレベルであることはもはや疑う余地がありません!!
そしてこのコパアメリカで、日本のA代表の中、そして世界にも通用するということも証明してくれました。
久保建英のスペイン語の訛り
スペイン語は、スペインや南米を中心に世界中で話されている言葉です。全世界で約15億人が話す言語とも言われています。
ネイティブの数だと英語より多く(英語は第2、第3言語として話す人がとても多い言語です)中国語の次で世界第2位です。
世界中で話されているとなると、それぞれの土地で訛りが生まれます。
「訛り」って日本語で言うとなんかあんまりいいイメージにつながらないかも知れないので、”アクセント”としましょう。
日本も同じですが、スペイン国内、国や地域をまたげばさらに多くのアクセントがあります。

スペイン語ってなかなかすごいやん。
久保建英のスペイン語のアクセント
子供の頃にスペイン、バルセロナでプレーしたことでスペイン語を身につけたと言う話は有名ですね。
でもバルセロナはカタルーニャという地域にあって、カタルーニャでは”カタルーニャ語”という異なった言語が公用語であることはご存知でしょうか。
スペイン語では、Catalán カタラン といいます。
バルセロナの人たちは標準スペイン語も話しますので、みんながバイリンガルであるとも言えます。

言葉は 語る(かたる)ためのものやのに、 “カタラン” とは!! 笑
久保建英君はなんと、バルセロナ時代にカタルーニャ語も操れるようになっているとか。

いやもう、お手上げやね〜
スペイン国内での方言や別の言語まで話していると膨大な資料になってしまいますので、ここでは少しだけ。
スペイン語には大きく分けて、
1:スペイン語 (カスティーヤ語)
カスティーヤ語は、元々カスティーヤ地方のスペイン語をさしますが、今は”標準的なスペイン語”という意味で使われます。
2:南米で話されているスペイン語
の二つがあります。
バルセロナで話されているスペイン語は基本的に1のカスティーヤ語です。(現地の人たち同士だともちろんカタランも使われます。)

久保君のスペイン語もカスティーヤ語?
どうなんでしょう。南米でのインタビューを見る限り、どちらかというと南米寄りのアクセントで話しているようにも聞こえます。
カスティーヤ語は発音は一般的な南米スペイン語よりやや難しく、日本人にとっては、南米のスペイン語の方が発音しやすい、と私個人は感じます。
例えば、カスティーヤ語だと、英語でいう “th” の舌を噛む音を多用するのですが、南米を中心とするスペイン語ではその音は “s” の音に簡略化されています。
久保君のバルサでのチームメイトには南米の子もいたでしょうし。
先生が南米出身者だった、なんてことも考えられます。
スペイン語はどこに行ってもスペイン語なので、別にどのようなスペイン語でも大丈夫なんですが、
南米でのインタビューには南米風に、(南米の中でもそりゃたくさん方言はあります)スペインではカスティーヤ語で、
なんて使い分けていたら。。。。

恐ろしい。。。汗
久保建英君のスペイン語は、とにかくとても発音もきれいですし、イントネーションやスピードも聞き取りやすい。
スペイン語はそもそもいろんなバリエーションがあるので、アクセントがあってもネイティブは気にしません。
アクセントに関係なく、久保建英選手は素晴らしい語学センスの持ち主であることは間違いありません。
そしてこのスペイン語センスがあると、
英語もうまくなる!! 久保君は英語もすでに上手いそうです!!
サッカー久保英建のプロフィール
名前:くぼ たけふさ 2001年6月4日生
出身地:神奈川県川崎市
所属:レアル・マドリード・カスティージャ (2019年 7月現在) 日本代表
久保建英の生い立ちとサッカー歴
日本A代表デビューを2019年6月のコパアメリカで飾ったばかりで、もう代表の中心選手といってもいいくらいの存在感を放つ日本の宝、久保君。今後の成長を想像するだけでワクワクする選手ですね。

他の若い選手もがんばれ〜
サッカーを始めたのは2004年3歳の時。初めて所属したのは東京都稲城市の坂浜サッカークラブで、それはお父さんがコーチとして参加していたチームでもあった。
小学2年生まで東京ヴェルディ1969のスクールに所属し、2009年8月、人生を大きく変えるキャンプに参加する。それが、FCバルセロナキャンプ(2007年より日本国内で毎年開催)。そこでMVPを獲得したことで一気に注目が集まるように。
2010年、8歳の時、FCバルセロナスクール選抜としてベルギーで開催されたソデクソ・ヨーロピアン・ルーサスカップに参加。チームは優勝できなかったものの、大会MVPに輝いた。
小学校3年生の時に川崎フロンターレの下部組織に入団。
2011年8月、FCバルセロナの下部組織カンテラ(ラ・マシア)入団テストに合格したことで、スペインでのキャリアが本格的に始まる。U-12トーナメントで大会得点王とMVPになるなど、頭角を現す。
2014-15年はインファンティルA(13-14歳で構成)に所属。順風万般に見えたバルセロナでのサッカー人生だったが、FCバルセロナの18歳未満の外国人選手獲得・登録違反により久保の公式戦出場停止処分が続き、2015年3月、日本に帰国することに。活躍の場をFC東京の下部組織に変えた。
そこからのFC東京での活躍はご存知の通り。
2019年6月にはA代表初選出で南米選手権 コパアメリカへ。
そしてその直後、Real Madridへの移籍が発表されました。

久保君、これからも日本のためにたのむぞ〜!